ガソリンスタンドで勧めるエンジンオイル交換時期は嘘なの?

ガソリンスタンド店員 エンジンオイル

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突然ですが、あなたはガソリンスタンドで

「オイル交換、いかがですか?」

と声をかけられたことはありませんか?

無料の安全点検だからとボンネットを開けて点検をしてもらったら

オイル交換をすすめられ、なんだか断りにくい雰囲気に。

こんなときあなたはどうしますか?

ガソリンスタンドでオイル交換を任せていいのか?

特に女性なら、家に帰ってご主人さんやお父様などの男性たちに相談すると

「んなもん、ディーラーのいうとおりでいいよ。」とか

「ガソリンスタンドの兄ちゃんのことなんか信用するな!」

なんて怒られてしまうこともあるのだとか。

今回はそんな経験をした方、主に女性ドライバーさんに向けて

ガソリンスタンド勤務歴三カ月、自動車整備士歴20年の僕がお答えしましょう。

 

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ガソリンスタンドでやたらとオイル交換を勧める理由

ガソリンスタンドにはあらゆる車が立ち寄ります。

なにせ、ガソリンまたは軽油を入れないと車は走り続けることができません。

これこそがガソリンスタンドの強みといえます。

ドライバーに接触する機会が多いからこそ、いろんな商品をセールスすることができます。

ガソリンからの収益が大きく落ちてきているため「油外収益」といって、

スタンドに勤めるスタッフはなにかしらのサービスや物を売らないといけません。

その中でもエンジンオイルの交換作業はかなり取りやすい作業といえます。

特に女性からの獲得率は高いかもしれません。

というのも、エンジンオイルの交換などにはかなり無頓着な方が多く、すでに交換時期をオーバーしていることもいいので、

「お客さん、オイル交換、もう交換時期をオーバーしちゃってますよ。このままではマズいかも」

みたいなことを言われるととにかくプロが言うんだからと、そのまま作業を依頼してしまうことも多いのです。

ガソリンスタンドでは、スタッフ同士の売り上げや作業の獲得率を比べられてお給料や時給、

ボーナスに反映さえてしまうので、けっこう必死にオイル交換なんかを取ろうとします。

なかには、「エンジンオイルが焦げてて、エンジン壊れちゃうかもしれませんよ」などと脅しに近いセールストークを展開して、

車の知識がないことに負い目を持った女性にかなり強引にアプローチするガソリンスタンドもあります。

先輩から後輩へ引き継がれる伝統というか、

「オバちゃんなんかはねらい目だからどんどん声掛けしろ」

などと教育しているスタンドもあります。

エンジンオイル交換の推奨値は嘘だらけ?

これはガソリンスタンドだけじゃないですけど、整備工場によってエンジンオイルの交換時期の推奨値が違うことがけっこうあります。

ディーラーなんかだと、エンジンオイルは5,000㎞ごと、オイルフィルター(オイルエレメント)は10,000㎞ごと、つまりエンジンオイル交換の二回に一回でエレメントの交換を勧めていることが多いです。

これに対して、ガソリンスタンドやカー用品店などではエンジンオイルは3,000㎞ごと、エレメントは二回に一回となっています。

5,000㎞と3,000㎞・・・・

かなりおススメの距離が違いますね。

さらに、車のボンネットの裏側にあるステッカーを見てみると全く違う走行距離でのオイル交換を指示してあります。

↓ これはトヨタの車のステッカーですが

トヨタ車 コーションラベル

↑ エンジンオイル交換を

なんと!

エンジンオイル交換は「1.5万キロまたは12か月ごと」とあります。

15,000㎞?! ディーラーの推奨する三倍の距離・・・?

または一年に一回のオイル交換?

しかもオイルフィルターは毎回の交換。

いったいこれはどういうことなのでしょうか。

「なにそれ・・・ぜんぜん違うじゃん!」

ここまで読んでくださったあなたはそう思うでしょうね。

といか、ガソリンスタンドの人たちのあの

「すぐ交換しないと壊れますよ」って3,000㎞とかで勧めるのってなんなんでしょうか?

いったいどの情報を信じたらいいんでしょうか。

僕の整備工場でもこの手の質問はよく受けます。

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ホントのオイル交換時期を知りたい!

これは、実際にあったことなのですが、ある女性が

ガソリンスタンドでオイル交換を強くお勧めされました。

すごく心配になったものの、とりあえずその場はなんとかかわして家に帰りました。

その夜、ご主人さんに

「ガソリンスタンドでオイル交換を勧められたんだけど・・・エンジン壊れるかもって。」

と相談をしました。

すると

「スタンドの兄ちゃんはな、売り上げが欲しいからかなり早めにオイル交換とか言うんだよ。大丈夫だから。

オレの車だってディーラーで言われたとおり5,000㎞で換えてるけど、壊れてないだろ?」

と一蹴されてしまったとのことでした。

後日、この方は僕の整備工場にご相談に来られました。

この女性のお客様は車検を受けてくださって以来の常連さんです。

「あの・・オイル交換って、結局いつしたらいいんですか?」

これがこのお客様の第一声です。

5,000㎞ごとの交換でも問題はない

まず僕がこのお客様にお伝えしたのは、

軽自動車も普通車も5,000㎞ごとの交換でもエンジンが壊れたりすることはないということです。

特に普通車は5,000㎞でもかまわないです。

今回の場合は軽自動車ですが、軽自動車なら、もう少し早めでもいいかな、と僕は思います。

◆関連記事 車のエンジンオイルを交換しないとどうなるの?それ整備士が答えます!

 

軽自動車のエンジンは普通車よりも仕事している

なぜ軽自動車と普通車ではオイル交換の交換距離を変えたほうがいいのか?

ここからは僕の個人的な見解も含まれますが、

スパークプラグの大手のメーカー「NGK」が
スパークプラグの交換推奨距離を

軽自動車は10,000㎞

普通車は20,000㎞

と説明しています。使うスパークプラグは同じものを使っていることも多い軽自動車と普通車ですが、なぜ交換距離が違うのでしょうか。

これは、エンジンの回転数が違うからです。

つまり軽自動車のほうが、排気量が660ccしかないので、より回転を上げて馬力を出しているので、つねにエンジンはたくさん回転しています。

つまり、普通車のエンジンよりも軽自動車のエンジンが無理をしているのです。

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走行5,000㎞の軽自動車のオイルを抜くと・・・

僕自身、整備士ですから、いろんな車のオイル交換を毎日何台もしていますが、軽自動車のエンジンオイルは汚れやすいと思ってます。理由は上記の通りで、つねに無理をしているからです。

なので、普通車はディーラーの進めるように5,000㎞ごとでもいいと思いますが、軽自動車はもう少し早めの交換がいいと考えてます。僕自身も家族の車や自分の車ではそうしています。

実際に5,000㎞ほど走行した軽自動車のエンジンオイルを抜くとオイルの臭いとか汚れ具合とかを見ると「やや手遅れ」な感じがします。

ディーラーは、新車から五年、100,000㎞の保証をエンジン本体につけていますから、その間快適に走ればいいという考えからオイル交換を勧めることが多いです。

ちなみに、ボンネットの裏側に貼ってあるステッカーの、
15,000㎞ごとの交換は
「限界値」であって「推奨値」ではないということだそうです。(メーカーの部品課の方の話です)
つまり、いくら遅くても15,000㎞では交換してね、ということなんだそうです。

つまり「100,000㎞だけエンジンが壊れなければOK」という考えのもとなんだそうです。

まとめ

オイル交換はいったいどこで、どれくらいの走行距離で交換したらいいのか?
ガソリンスタンドの人たちは、みんな嘘つきなのか?

そんな疑問を持ったかたがかなりおられます。

整備士の僕からのおススメをいいます。

まず、オイル交換はどこで交換してもいいです。

そのスタッフさんは整備経験、知識を豊富に持っていそうですか?

あなたはそのスタッフさんの言動を信じられますか?

その整備工場やサービスステーションとは長い付き合いが出来そうですか?

これらがすべて「大丈夫」と感じたらなら作業を依頼してもいいです。

そのうえで、オイルの交換時期は普通車なら5,000㎞ごとでも大丈夫ですが、

軽自動車は、できれば街乗りがメインで年間走行が少なめなら
シビアコンディション(年間走行7000㎞以下)

となるので3,000㎞がおすすめです。

ようするにエンジンオイルの交換時期は車の使い方でも変わってくるということを覚えていていただければと思います。

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コメント

  1. より:

    こんにちは。軽自動車をシビアなコンディションで使ってます。短距離走行が多いのですが、なかなか3000kmに到達しません。オイルも劣化すると思いますが、何ヵ月で交換したらよいですか?

    • サボカジ サボカジ より:

      車様

      コメントありがとうございます。

      >軽自動車をシビアなコンディションで使ってます。
      >短距離走行が多いのですが、なかなか3000kmに到達しません。

      こちらの使用条件ですが、3000kmをどれくらいの期間で走行するかにもよります。

      たとえば、年間走行で3000kmの場合でしたら、年に一度の交換でもいいと思いますが

      年間走行が1500kmでしたら、一年に一度のサイクルで交換してしまってもいいかもしれませんね。

      その時使用するエンジンオイルは、特別にいいオイルでもなく、標準的なオイルでいいですね。

      以上、ご参考になれば。

      • より:

        お忙しいのにお返事ありがとうございます。シビアなコンディションなので年間2500kmで3ヶ月に一度交換しようと考えてましたが、一年に一度でよいのですね。専門家の方にコメント頂き大変参考になりました。本当にありがとうございました

  2. より:

    純正オイルって鉱物油ですが、品質は悪いのですか?100パーセント化学合成油に比べたら天と地の差ほどありますか?純正オイルってそんなに安くないイメージなんですが。

    • サボカジ サボカジ より:

      車様

      >純正オイルって鉱物油ですが、品質は悪いのですか?

      純正オイルに関しては品質は悪くないですよ。

      メーカーとしても推奨していますし、

      エンジン本体なら10万kmの保証としての推奨オイルですので。

      >純正オイルってそんなに安くないイメージなんですが。

      そうですね。安いことはないですよね(笑)

      おすすめなのは、純正と同等のオイルを選択するといいでしょうね。

      この場合は、オイルの粘度を純正のものと合わせるといいです。

      同じ粘度でAPI規格も同じなら値段の安いものを使っても問題ないですね。

      ランニングコストを重視されるなら純正にこだわらなくてもいいです。

      • より:

        お忙しいのに二つも質問に答えて頂きありがとうございます。同じ粘度でAPI規格の製品を探してみます。これらの質問を車屋さん等でしたら商用目的で、早めに交換させられたり、高いオイルを買わされるイメージがありました。その為、お忙しいかもしれないが質問しようとコメントしました。ちなみに100パー化学合成油と純正オイルまたはそれと同等のオイルなら高速道路での走行性能は化学合成油の方がやはり断然上でしょうか?

        • サボカジ サボカジ より:

          車様

          お返事が遅くなりました。

          >ちなみに100パー化学合成油と純正オイルまたは
          >それと同等のオイルなら高速道路での走行性能は
          >化学合成油の方がやはり断然上でしょうか?

          化学合成油にもメリットがありますが、鉱物油にも違ったメリットがあります。

          ですので、化学合成油が全てにおいていいとも言い切れない部分もあります。

          たとえば、化学合成油よりも鉱物油のほうが汚れを取り込む「清浄分散性」が高いと言われています。

          余談ですが、フラッシングオイルなどは鉱物油がベースになっています。

          つまりエンジン内部の汚れを取り除いてくれるという意味では鉱物油にメリットがあるようです。

          ですので、それぞれのメリットを活かすために「部分合成油」を選択するのもいいでしょうね。

          これも車の使用条件によっても選択肢が変わってくるかもしれませんね。

          僕自身の整備士としての経験で、農耕用に使用している軽トラックなどは、

          年間走行距離が500km未満という、非常に走行ペースが少ない車両の整備もしてきました。

          車検でご来店いただくお客様ですが、二年間で走行距離が400km、それでもオイル交換は必要かといえば、

          「できれば交換が望ましい」とお答えするようにしています。

          ですので、

          >商用目的で、早めに交換させられたり、
          >高いオイルを買わされるイメージがありました。

          このようなイメージを持たれるのも致し方ないですし、実際、売上を重視している会社に勤務する整備士では本音で答えにくいこともあります。

          ですが、年間走行が少ないことや、なるべく車の維持費を抑えたいことを伝えることで、オイル交換の頻度にも誠実に答えてくれる整備工場もあります。

          お医者さまもそうかもしれませんが、話をしっかりと聞いてくれてセカンドオピニオンにも快く応じてくれる整備工場を見つけるといいと思います。

          車様、お問合せのコメントをありがとうございました。

          いただいたご質問にお答えしながら、オイル交換の交換頻度に関しての記事を新たに投稿しようとおもいます。

          それでは。

          • より:

            大変参考になりました。汚れを取り除く性能は鉱物油の方が上なんですね。驚きました。だからトヨタ純正オイル、キャッスルは鉱物油なのかもしれないですね。新たに投稿されるオイル交換の交換頻度も読んで、楽しみながら勉強させて頂きます。お忙しいのにお時間とお手間をかけて頂きありがとうございました。

  3. より:

    コメントを読まれた方、すみません、現在のキャッスルは全合成油に変わってるかもしれません。私はわからないのでディーラー等で聞いてみてください。すみませんでした。

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