ラパンのエアコン異音|HE22S型でコンプレッサー交換が多い理由

コンプレッサー分解エアコン

今回の記事に関係する車種は[HE22S]のラパンと同年式の[MK21S]パレット、[MH23S]ワゴンRです。

HE22Sのラパンはエアコンを入れると異音がすることが多い車種です。

エアコンの異音といえばコンプレッサーからすることがほとんどですが、そもそもの原因は別の部分に問題があることで二次災害的に発生しています。

結論を言えば、エバポレーターからのガス漏れが多い車種で、ガスだけでなくエアコンのコンプレッサーオイルも一緒に漏れていることがあります。

オイルが不足することでコンプレッサー内部で焼付きが発生し異音の原因になっていますが、ラパン以外の車種でも年式が近いと同じようなことになります。

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HE22Sのラパンはエアコンの異音が多い?

エアコンコンプレッサー交換

エアコンを入れるとコンプレッサーから異音がする

「エアコンの異音」といえば、ほとんどの場合はコンプレッサーからの異音を指します。

エアコンのコンプレッサーはクーラーを作動させていない場合は止まったままなので、異音の原因になることは少ないです。

ほとんどの場合、運転席からエアコンのパネルの「AC」のボタンを押すことで、コンプレッサーが作動し、それにともない異音がするというケースが多いです。

エアコンのコンプレッサーは、フロンガスを高圧に圧縮するために高い負荷がかかっているため、内部に不具合が出ると大きな異音がし始めます。

しかも、HE22S型のラパンだけでなく、他の同年式のスズキ車でも同じパターンでエアコンが効かなくなるのでスズキディーラーに相談すれば、苦笑いをしながら説明してくれるでしょう。

原因はエバポレーターからのオイル漏れ

スズキ車 エバポレーター オイル漏れ
↑取り外したエバポレーターは漏れたオイルが大量に付着していました

ガス漏れはオイル漏れの原因になる

エアコンのコンプレッサーオイルとフロンガスは混ざりあったような状態でエアコンのサイクル内を循環しています。

そのため、ガスが漏れている部分からコンプレッサーオイルが漏れていることもありますが、漏れている場所によってオイルの漏れかたも違ってきます。

エバポレーターにはオイルが多く溜まっている

エバポレーター オイル漏れ跡
↑ エバポレーターが入っていたユニットの中には漏れたコンプレッサーオイルが大量に溜まっていることもよくあります。

HE22Sのラパンの場合、エバポレーターの固定に問題があり、振動で漏れが発生することが多く、対策品が用意されています。

エバポレーターはコンプレッサーオイルが大量に溜まっている場所で、そこからガス漏れを起こすとオイルも大量に漏れていきます。

結果的に、オイルが大量に溜まった場所からフロンガスが漏れることで、コンプレッサーオイルも一緒に漏れてしまうことになります。

サボカジ@整備士
サボカジ@整備士

エアコンを入れたとたん、

オイルというか薬品のような独特のニオイが

エアコンの吹き出し口からします。

鼻の悪い僕でもわかるくらいなので、

敏感な方は気になるはずです。

ガス補充だけを繰り返すとオイル不足が進んでしまう

スズキ ラパン エアコンコンプレッサー 分解

↑焼き付いたラパンのコンプレッサーはベーンがすべて引っ込んだまま。これではガスが圧縮されるわけもなく全く冷えない状況でした。

カーエアコンにはコンプレッサーを保護するために、クーラーガスが一定以下に減ると、マグネットクラッチへの電源がカットされます。

つまり、コンプレッサーが回らなくなるので、クーラーは全く冷えない状態になりますが、コンプレッサーの焼付きにならずにすみます。

「とりあえず、ガスだけ補充」はまずい

クーラーガスが減り続けることでコンプレッサーへの電源がカットされ、そこそこ効いていたエアコンが全く効かなくなります。

するとユーザーさんは、近くのガソリンスタンドやメンテナンスショップなどで、「エアコンが冷えない」という相談をするケースが多いです。

ガソリンスタンドさんを悪くいうわけではありませんが、『ガスが不足しているならとりあえず補充すれば冷える』みたいな発想でガス補充を勧めることが多いです。

整備士サボカジ
整備士サボカジ

単なるエアコンのガスチャージでも

エアコン修理に詳しい業者に依頼することをおすすめします。

本格的なガス漏れ修理をするとなると、専門知識や機械などが必要になってきますが、ガス補充だけならゲージマニホールドさえあればできてしまいます。

初期投資が安く抑えられ、それなりの利益が取れるエアコンガスの補充は、夏場に油外収益を上げるにはありがたい作業メニューといえます。

ただ、ガスだけを補充するやり方をしていると、今回の[HE22S]ラパンのようにオイルも抜けるような部分からのガス漏れでは、オイルも抜け続けることになります。

・エバポレーターからガスとオイルが漏れる

・マグネットクラッチへの電源がカットされる

・エアコンが全く効かなくなる

・ガスだけの補充をする

・ガスとオイルがエバポレーターから抜けていく

・エアコンが効かなくなる

このようなサイクルでガス補充だけを繰り返していると、コンプレッサーのオイルだけが減り続け、コンプレッサーに負荷をかけ続けるということになります。

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オイル不足でコンプレッサーから異音がし始める

エンジンオイルが不足するとエンジンから異音がするのと同じ理由で、コンプレッサーオイルが不足したコンプレッサーでも同じことがおきます。

エバポレーターの保証延長もあった

スズキでは該当する年式の車種でエバポレーターの保証を新車登録から9年に延長しています。

スズキ エバポレーター不具合箇所

↑ スズキホームページより引用

ただし、安全に直結するような不具合ではないのでリコール扱いにはなりませんでした。

 

HE22S型ラパンのコンプレッサー交換費用と時間

ラパン バンバー取り外し

コンプレッサーの交換作業はわりと簡単

ただ単にコンプレッサーを交換するだけなら、HE22Sのラパンの場合はそれほど手間はかかりません。

ウレタン製のフロントバンパーをとめている樹脂製のクリップと数本の6mmボルトを外せばまるごと外れるようになっています。

フロントバンパーを外せば丸見え

エアコン修理 コンプレッサー・コンデンサー交換

↑ 画像はワゴンRですがコンプレッサーの交換工程はラパンも全く同じです

作業工程をざっくり言えば、

①クーラーガスを回収機を使って車から抜き取る

②リフトアップしてフロントバンパーを外す

③コンプレッサーベルトを外す

④コンプレッサーと低圧と高圧の配管のパイプを外す

⑤コンプレッサーとエンジンをつないでいる3本のボルトを外す

これだけでコンプレッサーを単体にすることができます。

手慣れた整備士ならリフトアップもしないかもしれませんが、作業の効率や整備士の負担軽減でリフトを使うことが多いです。

脱着だけなら1時間もかからない

何台も同じタイプの作業を経験している整備士ならコンプレッサーを外してとりつけるだけなら一時間ほどで完了するでしょう。

ただし、「エアコンが効くように修理する」ということになると、他にも付帯作業があるので、実際はもっと時間がかかります。

たとえば、コンプレッサーを交換するなら、クーラーガスの不純物などを取り除いているフィルターの交換もするべきで、コンデンサーを外す必要があります。

また、コンプレッサーの交換が終わったら、エアコンサイクルが密閉されているかどうかをチェックするために真空ポンプを使って「真空引き」という作業も行います。

コンプレッサー交換費用はどれくらい?

保証延長が適用されると以下の作業は無料で受けることができますが、新車登録から9年以上経過している場合はすべてユーザーの自己負担での修理となってしまいます。

コンプレッサーとフィルター交換の場合

コンプレッサー脱着
コンデンサー脱着フィルター交換
真空引き&ガスチャージ
15,000円~23,000円ほど

コンプレッサー新品 75,000円ほど
リビルト品 40,000ほど
中古品 15,000円~25,000円
フィルター新品 約2,000円
クーラーガス 320グラムほど 2,000円~3,000円

コンプレッサーは新品だけじゃない

エアコンコンプレッサー交換

中古品はややリスクがある

エアコンのコンプレッサーの中古品はかなり流通していて、走行距離の少ない個体を手に入れることができれば、かなり割安でエアコン修理をすることができます。

ただし、中古品には保証もついておらず、とくに走行距離が多い車から外した中古品はリスクが高くおすすめできません。

整備工場のなかには、お客様が部品を持ち込むことをかなり嫌うところもあり、「部品持ち込みお断り」としている工場もあります。

収益が減るというよりも、得体の知れない部品を使うことでトラブルになることを避けたいのが正直なところです。

リビルト品がおすすめ

リビルト品とは、解体車や事故車などから取り外した比較的正常なコンプレッサーを分解、洗浄し、内部の消耗品部分を交換したものをいいます。

コンプレッサー本体のケースなどはそのまま再使用していることもありますが、ラパンなどの大半のスズキ車の場合はベーンタイプのコンプレッサーを採用しています。

リビルト品の場合、ベーンとローターのクリアランスなどが問題ないか確認、交換しているものが多く、新品の半額から6割くらいで販売されています。

ネットで自分で購入すれば、さらに安い価格で購入することもできますが、交換作業にそれなりの作業料金が発生する場合はおすすめできません。

整備工場としても、お客様が自分で用意したリビルト品を使うのはリスクがあり、作業度の不具合に対しても保証してくれないことが多いです。

具体的には、不良なパーツを使用してトラブルになった場合は、すべての作業に対して重複した作業料金を請求されてしまうこともあります。

 

まとめ

・HE22S型のアルトラパンはエバポレーターからのガス漏れオイル漏れが多い
・ガス補充だけを繰り返しているとオイルが不足しコンプレッサーから異音が発生する
・異音が出始めたコンプレッサーは内部の焼付きや金属粉の発生で交換が必要になる
・コンプレッサーの交換ではフィルターの交換も望ましい

今回はこんな内容のお話でしたが、結論を言うと、上記の作業では不十分で、エバポレーターからのガス漏れを止めないと同じ結果になってしまいます。

エバポレーターの交換作業のお話は別の記事に残すことにします。

【関連記事】アルトラパンHE22Sのエアコンガス漏れ修理と保証延長

【まとめ】HE22S型ラパンのエアコンが効かない原因と修理の振り返り

 

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