カーエアコンで非常に多いトラブルが「冷房が効かない」ことです。
冷たい風を作るには、暖かい風を作るよりもはるかに複雑な仕組みを利用しています。
暖房が効かないと言う事は滅多にありませんが、冷房が効かないとトラブルはかなり多いのです。
また冷房を入れているはずなのに暖かい風や、場合によっては本当に熱い風が出てくることもあります。
今回は、エアコンが冷えないというトラブルの原因についてお話していきます。
カーエアコンが涼しくならない理由
エアコンのコンプレッサーが作動しているかを確認
まずエアコンが涼しくならない理由はコンプレッサーと言われるフロンガスを圧縮する部分が仕事をしてないことが多いです。
このコンプレッサーを作動させるための操作が運転席のエアコン操作パネルにある「ACボタン」を押しているかどうかです。
車の操作にあまり興味を持たない方や、車に乗り出してあまり経験がない方だと、そもそもエアコンの正しい使い方をご存じない方もかなりおられます。
まずはエアコンのコンプレッサーが作動しているかどうかそこを確認する必要があります。
ここで故障診断をする上でいくつかの選択肢が発生します。
エアコンのコンプレッサーが作動しなくなる理由として、電気系統のトラブルとフロンガスのガス漏れが原因であります。
マグネットクラッチが入る音
エアコンのコンプレッサーが仕事をし始めた音をご存知でしょうか。
運転席からエアコンの操作パネルからACボタンを押すとエンジンルームの方から「カチン」と言う音が聞こえてきます。
それと同時に電動ファンの回転する、「ブーーン」という音も聞こえてきます。
運転席の窓を開けてカーオーディオなどの音を全て消して実際にやってみてください。
もしもこれで「カチン」と言うマグネットクラッチの入る音がしない場合は、そもそも電気系統のトラブルである可能性もあります。
マグネットクラッチが作動しない理由
マグネットクラッチが作動するカチンと言う音がしない場合は、クラッチに電源が供給されていないと言うことがほとんどです。
この場合、電源が供給されない原因としてエアコンのガスが入っていないと言うことが考えられます。
なぜならエアコンのガスは本来減らないのですが、ガス漏れなどの原因でエアコンサイクル内にガスが入っていない状態だと、
コンプレッサーを保護するためにACボタンを押してもマグネットクラッチに電源が供給されないような保護機構が備わっています。
この場合、マグネットクラッチが作動しないのでコンプレッサーは一切仕事せず冷房が効くことはありません。
また、電気系統のトラブルとしてエアコンのマグネットクラッチへの電源が供給されていないと言うこともあります。
その場合はリレーと言われる小さな部品が壊れていることも結構多いです。
どちらにせよこのような状態になるとすぐにクーラーが効く状態に復帰させる事は難しいです。
カーエアコンでぬるい風しか出ない原因
炎天下でのダッシュボードの温度は180度
カーエアコンを入れて冷房かけようとしても、ぬるい風しか出ない場合は、上述したようなコンプレッサーの作動不良がほとんどだと考えられます。
ただ、炎天下の駐車場に車を止めていた場合だと黒いダッシュボードの辺りは非常に高温になっていますので、冷たい風どころか暖かい風が出るように感じてしまいます。
この場合、まずは走行しながら外気温を導入するスイッチに入れてみてください。
なおかつエアコンの送風は最強の状態で、エアコンの温度調整のつまみを最も冷たい状態に調整しておいてください。
この状態でしばらく走行しているとエアコンが正常な状態なら吹き出し口の風がどんどん冷たくなってくるはずです。
もしも扇風機の風より少しぬるい位にしか感じないなら、エアコンのコンプレッサーが作動していない可能性が高いです。
この場合は、エアコンのコンプレッサーの作動確認する必要があり、整備工場やエアコンの診断ができるガソリンスタンドなどに相談に行くと良いでしょう。
ただしエアコンが効かないと相談すると、売り上げ欲しさにすぐにエアコンのガスを入れようとするガソリンスタンドさんも多いので、そこは経験と信頼性を兼ね備えたお店を選んだほうがいいと思います。
エアコンのガスは、入れすぎていても効きが悪くなり、場合によってはコンプレッサーへの負担になってしまいます。
カーエアコンで熱風しか出ない場合は高額修理かも?
暖房と冷房を切り替える仕組みとは
カーエアコンの暖房と冷房を切り替える調節つまみがありますね。
このつまみを動かすことでダッシュボードの奥ではエアミクスチャーダンパーと呼ばれる、エアコンの空気を暖房にするのか冷房にするかを決める空気を仕切り板のようなものがあります。
(ちなみに日産のマーチやキューブ、ノートなどでは『エアミックスドア』と呼ばれています)
ただしこのエアミクスチャーダンパーとは一般的な言い方であり、各メーカーの呼び方はまた違ってくる可能性もありますのでご了承ください。
このダンパーと呼ばれる部品は板状のフラップと言われる部品が動いて、温かい風を作り出す「ヒーターコア」と冷たい風を作り出す「エバポレーター」のどちらのを通過した風を室内に送り込むかを配分させる役割を持ってます。
まず、暖房を聞かせるためにエンジンルームの冷却水を室内まで取り込んでいる部分があります。
この部分をヒーターコア呼んでいます。そこにはエンジンを冷却した暖かい冷却水が循環していますので常に80度近い温度になっています。
この部分をエアコンの風が通過すると温風となって噴出口から出てきます。
また調節つまみを冷たいほうにするとエアコンの冷たい風を作るエバポレーターと言う部分を風が通過して噴出口から出てきます。
さらに調節つまみを暖房と冷房の真ん中位にするとこのエアミクスチャーダンパーのフラップはちょうど真ん中あたりに移動し温風と冷風を半分ずつ取り入れながら吹き出しから出てきます。

結論から言うと、このダンパーが故障すると、
冷房にしているはずなのに暖房用の空気を取り入れていることがあり、本当に熱い風が出てくることがあるのです。
エアミクスチャーダンパーの故障は高額修理の可能性
このように冷房と暖房を切り替える装置が正常に働いている場合は、運転手の2通りに冷たい風や暖かい風を出すことができるのですが、
このエアミクスチャーダンパーが故障してしまった場合運転席から調整のつまみを動かしてもダンパー側の方でフラップが動かなくなっていることがあります。
こうなると最悪の場合、夏場の炎天下なのに暖房が効いたままになってしまうと言うこともあります。
エアミクスチャーダンパーが故障してしまった場合運転席から調整のつまみを動かしてもダンパー側の方でフラップが動かなくなっていることがあります。
こうなると最悪の場合夏場の炎天下なのに暖房が効いたままになってしまうと言うこともあります。
この場合だとダッシュボードの奥にある声がミクスチャーダンパーのユニットと言われる様々な部品の塊を全て交換する必要があります。
車種にもよりますがこのような修理は非常に多くの部品を外すことになりますので部品代はもちろん交換作業料金も非常に高額となります。
まとめ
カーエアコンからぬるい風や暖かい風が出てくるようになった場合は、単なるエアコンのガス不足の可能性が高いです。
この場合、エアコンのガスを補充すればとりあえずクーラーが効く状態にすることはできますが、その場しのぎの応急処置となります。
おそらく次のシーズンには同じようにクーラーが効かなくなっているでしょう。
エアコンのガス補充とエアコンのガス漏れ修理、どちらがかといえばガス補充を選択するユーザーさんが多いのですが、その理由については別の記事をご覧いただければと思います。
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ただし稀なケースとして冷暖房の切り替え装置が故障していることもあります。
どちらにせよこのような状態になると運転手がその場でなにか操作をすることで正常な状態にすることは難しいです。
なるべく早くに段階で整備工場に相談に行くことをお勧めします。
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